東福岡に思う。

この決勝戦我がノーサイドで秋工関係者と一緒にテレビ観戦した。
両チームには秋工に欲しい選手が沢山いた。秋工だけでなく全国の指導者が同じ思いをしたことだろう。
鍛えただけではこれだけの選手は育たない。運動能力の極めて高い選手を集め、高いレベルの指導で、素晴らしい環境の中で育てた結果だ。
東福岡は毎年2〜3名をニュージーランドに留学させる。


秋工の歴史はスクラムとタックルの強さで15回の全国制覇を成し遂げた。
スクラムの強さを全面に戦って来た秋工ラグビーは、ルール変更によってスクラムで相手の陣営を崩すことが出来なくなった。1.5mしか押せないルールで秋工のスクラムの優位性が無くなってしまった。


スクラムは練習量である。過去には圧倒的な練習量でスクラムトライを量産した。

スクラムの優劣、タックルの正確さが勝利に大きく影響している事は今も昔も同じである。しかし現代ラグビーは教えなくてはいけない事、覚えなくてはいけない事が沢山ある。これには吸収能力のある素材(選手達)が必要となる。
FWもBSのプレーが要求され、BSもFWのプレーが要求されるのだ。FWがラインに入りデフェンスもパスアタックもする。
BSもラックの第一陣として入って行く。我々の現役の頃にはこのようなプレーはなかった。


『昔のラグビーも今のラグビーも変わらない』と言い切る人達がいるがこの考え方が進歩を妨げている。
ラグビーはワールドカップが出来てから大きく進化しているのだ』


またボールが変わり、ロングパスが出来るようになり、アタックが変わり、それに対するデフェンスも大きく変わり、ルールが変わり、戦術も変わったのだ。
養成論もどんどん進化している。


私は常々秋工復活には『リクルートの大切さ』を言い続けて来た。高校、大学、社会人のどのチームも選手獲得の段階で負けたら先は見えて来ない。これが現実だ。どの高校も大学も社会人も専門のリクルート担当を置き人材獲得に必死だ。
こう言うと必ずそれよりも『指導者の能力だ』『練習の厳しさだ』とヒステリックに指導者避難の得意な人達がいる。
『言う易し、行い難しだ』



『指導者の能力だ』『練習の厳しさだ』の重要性は当然の事、日本一になる為には『良い環境に』『良い指導に』『良い人材』なのだ。この追求先に優勝がある。


私立主導の高校ラグビー、公立高校であっても日本一を狙うのであればジュニアチームを結成するなどしてに自ら底辺拡大に動かないと日本一は見えて来ない。『小中学校レベルの充実』そして『リクルートの更なる強化』が全国大会を終わった後、毎年感ずる事である。