藤圭子さんの死

ショッキングな報道が耳に入って来た。

同世代の藤圭子さんが自殺した。

日本全体が貧困にあえいで高度成長に入ろうとしている時に『新宿の女』でデビューして来たのだ。

特別、ファンではなかったが、彼女の音楽は俺の心の中に残っていた。

10年前のテレビインタビューで『私は歌を歌えば食べていける。貧乏しなくていけるという思いで必死に歌って来た。それで藤圭子は終わったのです』と話していた。



人間社会は歌手や芸能人の生き方に静かにして上げられない社会のようだ。確かに有名人リスクと言えばそれまでだが、根拠の無い、批判する側の感覚だけでその人間の人生を切りまくる。



いいじゃないか!その人の人生だもの!瞬間的であれ、長い間の悩みの末の行動であれ、彼女は苦渋の選択をして命を絶ったのだ!



人は人の生き方に土足で入り批判し、そして自分の人生には高い防御壁を構える。



もしかしてこれは我々世代、いわるる全共闘世代、団塊の世代に多かった人種かもしれない。



体制批判をする事が当時この世代の美学であった。また戦後のベビーブーム中で競争の中で自然と戦闘的な生き方を身につけていった世代なのだ。



藤圭子さんは一部報道されているように病気での行動かもしれない。生きていく術を失ったのかもしれない。



これは誰にでもありうる事だ!俺にもあるかもしれない!人間はそんなに強くは無い!だから支え合って生きているのだ。



昭和40年代の貧しい若者に指示された数々のヒットソングで彼女は多くの日本人の心の奥を歌で表現した。たくさんの日本人に歌を通して安らぎを与えた。


お疲れさまでした。ご冥福をお祈りします。