三島由紀夫

大学3年生だった僕がこの日偶然ではあったが市ヶ谷駐屯地の近くを市ヶ谷駅に向かって歩いていた時だった。パトカーのサイレンが鳴り響き騒然としていた事を思い出す。
合宿所へ帰ってテレビを見たら三島由紀夫自決というニュースが流れていた。
この頃の風評は三島由紀夫に対するバッシングで世の中が充満していた。
『おもちゃの軍隊を作って?』とか『ファッションじゃないの?』などと
、、、。
世間は好きな事を言って批判的だった。
ただ、確実に言える事は彼は本当に武士道精神を持って人生に別れを告げている事だ。今の日本人に出来る人が何人いるだろうか?あの瞬間に死に場所を市ヶ谷駐屯地に求め、憲法9条の矛盾をバルコニーから自衛隊員に伝え、行動を求めたのである。
立ち上がる様子を見せない自衛隊員に『無理だ』と判断し、総監室へ戻り、森田必勝氏の介錯で割腹自殺したのだ!
その後、森田必勝氏も割腹自殺したのである。25歳だった。
自衛隊員にほう起を求めてはいるが、ほう起はしないだろうという予測の元で自決を覚悟していた。
この行為に『自分の美学の為だろう!』非難する輩はいるが、あなたは美学の為に命を賭けれるか?
僕には出来ない。
彼の美学には今の日本人(僕)にない『純粋さと潔さ』があった。
あれから42年、タブー視され、見向きもされなかった憲法改正の議論が、国政の場で行なわれている。
憂国の士に合掌
『政治家などが口にする命を賭けてこの案件に対処します』などと簡単には言うが死んだ人はいない。
以前にも書いた日本人が失いつつある『武士道』を読み返したい!